[ビジネス縁起観からのメッセージ]        浪 宏友


◇常時達成型
 ビジネス縁起観は常時達成型の目的を重要視しています。
 常時達成というのは、今日も達成し、明日も達成し、一ヶ月後も達成し、一年後も十年後も達成する、要するに常時達成し続けるという意味です。少しの休みもなく達成し続けるということです。
 従って、常時達成型の目的とは、常に達成し続けたい目的という意味になります。

◇顧客満足
 多くの経営理念が顧客満足を謳っています。そこで「何時訪れる顧客に満足してもらうのですか」と尋ねます。もちろん、今日来店する顧客に満足してもらわなければなりません。明日の顧客も、一年後十年後の顧客にも満足していただかなければなりません。
 そうなのです。顧客満足は、常時達成型の目的であるべきなのです。それゆえ、何時来店する顧客にも満足していただける店づくりをしよう。そのように考えることとなるのです。

◇幸せ
 幸せはどうでしょうか。今は不幸せでも、将来幸せになれればそれで良い。そのように考えるならば、幸せは「未来達成型」の目的になります。
 今も幸せでありたい、明日も明後日も、一年後も十年後も、ずっと途絶えることなく幸せでありたい。そう願うならば「常時達成型」の目的になります。
 未来達成型の幸せを望むのも、常時達成型の幸せを望むのも、それぞれの人生観でしょうから、とやかく言うのはよしましょう。ただ私自身は、常時達成型の幸せを求め続けたいと願っています。

◇積み重ね
 常時達成型の目的を達成し続けるには、どうしたらいいのでしょうか。
 正しい見方、正しい考え方、正しい行い方を学んで、地道に実践し続けるほかはないというのが回答になるようです。
 小手先ではいけません。手抜きなどもってのほかです。ごまかしなど効きません。
 やはり、正しい毎日の積み重ねが、何より大事であると言わざるを得ません。

◇生き方
 常時達成型の目的を追求しつつ、その上に未来達成型の目的を乗せる。そのようなあり方がいいのではないかと思います。
 小さな積み重ねの上に、大きな夢を乗せて、一歩一歩実現に近づいていく。そんな生き方ができれば、これ以上のことはないのではないかと、私は思います。 (浪)
☆「詩人散歩」平成21年冬号に掲載