◇顧客第一
経営理念として「顧客第一」を標榜する企業は少なくありません。しかし、顧客第一というだけでは抽象的で分かりにくいところがあります。
◇顧客を大事にする
顧客第一とは顧客を大事にすることだと思います。それなら、次のように考えるのはどうでしょうか。
◇顧客に役立つ
顧客に利便・満足をもたらすものなら、提供する方向で考えます。顧客が幸せになることなら、実施する方向で考えます。顧客の役に立つことが企業の役目だからです。
◇実行できる
自社の能力で実行し実現できるのなら、する方向で考えます。現在の能力ではできないけれども能力を備えることができるのであれば、その方向で考えます。能力もないし能力を備えることもできないのであれば、棚上げするしかありません。
◇理念に合っている
自社の理念に合っていれば、行う方向で考えます。理念から外れていたら、手を出してはいけません。
◇従業員も嬉しい
従業員に喜びを生み出す可能性があるのなら、実施する方向で考えます。従業員に喜びを生み出す可能性がないようであれば、再考することになるでしょう。とはいえ、楽好みの従業員に合わせるということではありません。
◇継続できる
一度始めたら、継続しなければなりません。顧客は企業がずっと役立ってくれることを望んでいるからです。一時的で、継続できないものは、本来の事業には向かないでしょう。
◇採算が取れる
事業とするからには、採算を考えます。採算の取れないものは継続できなくなるからです。儲けるための採算ではなくて、顧客の役に立ち続けるための採算です。
◇自分も嬉しい
以上を満たしている上に、そこから自分に喜びが生まれるときには、積極的に取り組みたいと思います。そういうときこそ、充実した仕事が実現するのではないでしょうか。
◇自分・他人・世間に良い
ビジネス縁起観は「自分に良く、他人に良く、世間にも良い」経営が、正しい経営だと考えています。顧客だけが第一なのではなくて、従業員も経営者も世間も、みんな第一なのです。
(浪)
☆「詩人散歩」平成25年春号に掲載