[ビジネス縁起観からのメッセージ]      浪 宏友



◆ビジネスフレームワーク
 フレームワークというアイテムがあります。ものの考え方を整理するための枠組みとでも言ったらいいでしょうか。
 ビジネスの世界で使われるフレームワークが、ビジネスフレームワークです。
 PDCA(プラン・ドゥ・チェック・アクション)は、マネジメントサイクルといわれる、有名なビジネスフレームワークです。
 経営でも業務でも、「計画を立てる、計画を実行する、評価する、修正するべきところがあれば修正する」というこのフレームワークを使いこなせば、効率的であり、漏れも少なくなります。
 ビジネスの世界では、いろいろなビジネスフレームワークが考案され、活用されています。

◆仏教のフレームワーク
 お釈迦さまの教えは、文字になる前は、修行僧から修行僧へと、口伝えに受け継がれてきました。このとき、覚えやすいように、また口伝えしやすいように、さまざまな工夫がなされてきました。
 工夫のひとつが、教えをフレームワークの形で整理することだったと思われます。フレームワークで表現すると、覚えやすく、理解しやすく、実行しやすいという利点があります。

◆四諦
 仏教のフレームワークのなかでも有名なのが「四諦」であり、四諦と共に説かれる「八正道」であると思います。
 「四諦」とは「苦諦・集諦・滅諦・道諦」です。「諦」とは「明らかにする」ということです。四つのことを明らかにするので「四諦」と名付けられました。

  ◆ビジネスへの適用
 「四諦」は、「問題解決のビジネスフレームワーク」として使うことができます。
 苦諦=問題を明らかにする。
 集諦=問題の原因を明らかにする。
 滅諦=問題の原因を滅すれば問題が滅することを明らかにする。
 道諦=問題の原因を滅するための方策を明らかにする。
 フレームワークを正しく踏んでいれば、策定された方策は有効です。方策通りに実施すれば、必ず成果を得ることができます。
 現実に、私どもは、このフレームワークを駆使して、さまざまな問題を解決してきました。

◆このほかにも
 お釈迦さまの教えから生み出されたビジネスフレームワークは、このほかにもあります。これらの、すぐれたビジネスフレームワークを眠らせておく手はありません。自家薬籠中のものとして、活用すべきでありましょう。(浪 宏友)