詩誌「詩人散歩」(平成15年冬号)
◆これまでの【鋸Q宏友事務所日誌】を掲載しています。

 有限会社浪 宏友事務所日誌


○月○日

 日経BP社のチラシが入った。CD十巻セットのPRであった。『経営に生きる仏教の教え』と題し、副題が「現代の名僧たち十人が語りかける」となっている。これはいい企画だと私は思った。
 日経BP社執行役員の高橋銀次郎氏のコメントがついていて、そのなかに次のような一節があった。
 「これまでに様々なビジネス誌を手がける中で、私の中であるひとつの想いが芽生えてきました。それは、成功している経営者の理念には、必ずといっていいほど仏教的思想が存在しているのではないか、というものです。」
 それは当然なのであってなんの不思議も偶然もないであろう。なぜなら仏教のおおもとである釈迦牟尼世尊の教えは、あらゆる人々を対象として、真の人間として生きるための道を説き開いたものであるからである。仏教を知らずとも真の人間として生きようとする理念が確かなものであれば、自ずから仏教に通じるのである。
 世間のトップに立つ人々が「真の人間として生きること」と「真の経営のあり方」がつながっていることに改めて心を向けてくれればありがたい。この企画を見て、そういう期待を抱いたのである。
 ちなみに拙著『人間性経営』(潟sーシーコーポレーション発行)は、釈迦牟尼世尊の教えを土台として,拙考を巡らせたものである。

□月□日

 現実に行なったことが現実に結果を生む。行なわなかったことには結果は出ない。分かりきったことのはずだが、実際には簡単ではない。
 「いい結果を出すためには、これこれのことをしてください」とお願いし、そのように承知してくれたはずなのに、結局なにもしてくれない。それでいて結果だけは欲しがっている。そんな人が少なくない。
 本人は一生懸命に何かをしているのであるが、いわゆるピントが外れているという状態で、本当にするべきことが出来ていない。本当の智慧、本当のセンスが磨かれていないからなのであろう。
 まず智慧を磨くこと。それが遠回りのようで一番の近道なのだが、そのように取り組んでくれる人はなお少ない。
                                       (浪 宏友)

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