詩誌「詩人散歩」(平成16年夏号)
◆これまでの【鋸Q宏友事務所日誌】を掲載しています。

 有限会社浪 宏友事務所日誌


○月○日

 鶏がインフルエンザに罹ったらしい。世間に知れたら折角大きくした会社が潰れてしまう。なんとかしなければと焦った大規模養鶏場の経営者が、法令違反をやってしまった。ところがたちまち露顕して、会社は廃業に追い込まれた。耳新しい話である。
 この経営者はさまざまな間違いを冒している。そのひとつは、会社は自分のものと思い込んだ間違いである。会社は世間のものであって、自分は世間からお預かりしているのだということが分かっていれば、ここまで愚かな行動には走らなかっただろう。
 会社は利益を上げなければならない。それは責任である。その理由もいくつかあるが、そのひとつは世間に必要な会社を存続させるためである。世間からの預かりものであるからこそ、決して潰してはいけないのである。
 また、世間が必要とし、世間に有益である会社は、世間が存続させようとしてくれる。世間からの応援がなければどんなに頑張っても、結局は存続できなくなるであろう。
 この道理を理解し道理に沿って努力していれば、いざというときにも間違えることなく取り組めるはずだったのだが。

□月□日

 有限会社 浪 宏友事務所を開業して以来三年間に行なった研修や講演などのレジュメを整理してびっくりした。実績のあるものだけでも百を軽く超えている。相手に応じ、世相に応じ、会社の状態に応じてその都度テーマを考え、その都度話題を選び、そのようにしているうちにいつしかこんなにもなっていた。これだけ勉強させてもらったのだなと感慨深いものがあった。
 これらのレジュメは、これからの参考にはなるけれども、おそらくそのまま使えるものは少ししかないであろう。なぜなら、相手が変わり、世相が変わり、会社が変わり、同じ会社でも状態が変わるからである。
 ということは、毎回毎回勉強を続けなければ、私の役割は果たせないということを意味している。そのためには、毎日毎日さまざまな資料に目を通し、考察を深め、新しい発見をしなければ追いつかない。怠惰な心を起こしている暇は全くないようである。
                                       (浪 宏友)

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