詩誌「詩人散歩」(平成16年冬号)
◆これまでの【鋸Q宏友事務所日誌】を掲載しています。

 有限会社浪 宏友事務所日誌


○月○日

 社長ですけれど、経営者はやってません。そんな社長さんが大勢いる事を知りました。もっとも、本人は立派に経営をしているつもりがあるようです。

 そんな社長さんたちもまたご苦労をなさっておられるようです。仕事を取るためには酒席をもうけなければならないしゴルフにも付き合わなければならない。苦労が多くて高級車にでも乗らなければやってられない。どうも、本筋から外れたことばかりのように思えて仕方がありません。

 そうした費用がかかるために、働いても働いても報われない。そんなことを従業員たちが思いはじめたら大変です。いつのまにか、みんな居なくなっていることもあると聞きました。

 社長さんには、是非ともちゃんとした経営をしていただきたいものです。

□月□日

 伝票がきたら、見もしないで税理士事務所にまわし、自分は決算書のハンコを押しているだけ。

 経営をしていない社長さんのひとつのパターンです。こうした社長さんは経営者としての責任を放棄をしているとしか言いようがありません。あの税理士は信用がおけるから大丈夫だなどと口走る社長さんは、まったく経営という仕事を知らない人だと考えられます。

 経営におけるさまざまな数字は、経営を映し、経営者を映す鏡です。数字という鏡を見て、経営をチェックし、自分自身を反省し、さらに新たな自分に向かって歩み続けるとき、周囲から本当に信頼されるのではないでしょうか。

△月△日

 従業員を雇っても仕事を覚えるとみんな辞めていってしまう。そう言って怒っている社長さんも少なくありません。

 しかし、片っ端から辞めてしまうというのなら、それは社長さんが辞めさせているのです。辞めたくなるような仕事のさせかた、辞めたくなるような仕事の教えかたをしているのです。

 従業員がいつまでも一生懸命に働いてくれるためには、経営者自身が自分を振り返り、従業員に対する姿勢を整えなければならないでしょう。 
                                       (浪 宏友)

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