詩誌「詩人散歩」(平成17年秋号)
◆これまでの【鋸Q宏友事務所日誌】を掲載しています。

 有限会社浪 宏友事務所日誌


○月○日

 経営者の話と従業員の話が真っ向から対立することがあるのは、当然と言えば当然である。
 経営者は少ない給料で長時間はたらいて欲しいと思うし、従業員は就業時間は短く給料は高くと願う。それぞれに自分の立場からものごとを見て、自分の都合で話をするのである。反対の立場であれば願いも反対になるのは当然だと思われる。
 ところが、経営者と従業員の意見が一致していて、なお反目の種になっていることもある。
 一番多いのは、うちの会社はコミュニケーションが悪いというものである。経営者も、コミュニケーションが悪いと思い、従業員もそう思っている。意見が一致しているのだから、相談してコミュニケーションがよくなるように努力することができそうなものだが、なかなかそうはならない。
 コミュニケーションが悪いから、思っていることも、意見も、互いに伝わらないのであろうか。それともコミュニケーションが悪いのは自分のせいじゃない、相手のせいだと互いに思い込んでいるからなのだろうか。だれも自分の方から打開しようとか、打開のための話し合いをしようなどとは思わない。
 こうしていつまでたってもコミュニケーションが悪いという状態は打開されず愚痴と不平不満の絶えることがない。


□月□日

 普通にしゃべっていても怒っているように聞こえる。
 うれしい話をしていても、文句を言っているような響きがある。
 丁寧に頼んでいるつもりらしいが、押しつけられているとしか受け取れない。 こういうのを、人徳が低いというのであろうか。
 人間はしたことはしやすくなる。怒ってばかりいる人は、表情はもちろん、言葉にも、立ち居振る舞いにも怒っている雰囲気が染み込んでしまう。だから、普通に話していても、普通に振る舞っていても、怒っているような雰囲気が漂ってしまうのである。
 直そうと思ったら、努めてやさしくすることである。たゆみない努力を続けて数カ月もすれば、いくらかでも改善されてくるはずである。

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