詩誌「詩人散歩」(平成13年夏号)
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 鋸Q宏友事務所日誌

 企業活動については無知に近かった私が、企業における人間の問題と取り組みはじめました。無謀な転身だったかもしれません。
 経営の入門書を学びますと、経営資源という言葉が出てきます。経営資源というのは、経営を成り立たせ、発展させるために必要な要素なのだと私は理解しています。
 経営資源として「カネ」「モノ」「ヒト」が挙げられます。これに「ジョウホウ」を加える人も多いようです。人によっては「キギョウブンカ」を経営資源のひとつに数えているそうです。なかなか興味深いテーマです。
 「ヒト」すなわち人間が経営資源として挙げられていますが、この場合は経営に必要な「知識・技術・技能」を指しているようです。
 経営者には経営に関する知識・技術・技能が、管理者には管理に関する知識・技術・技能が必要です。
監督者、事務、製造、営業、販売、研究開発等に携わる人々。それぞれに必要な知識・技術・技能があります。
 必要な知識・技術・技能を持っていなければ、どんなに優秀な人でもその企業あるいはその仕事では役に立ちません。こうした側面によって「ヒト」が経営資源のひとつに位置づけられたのでありましょう。
 人間に経営資源としての一面があることは認めざるを得ません。しかしそれ以上に大切なことは、人間はどの立場に立っていようとも、経営資源を使いこなす主体であるということです。
 企業のなかの人間は、よく歯車にたとえられてきました。組織とかシステムの一員として歯車的な側面があることは否定できません。しかし、この歯車は主体的でなければなりません。
 主体性を失ってしまった人々、言われたことだけをする人々は組織やシステムを動かす動力源にはなれません。同時に自分自身の働きがいや生き甲斐を見出すことも出来なくなってしまいます。
 現在、多くの優れた企業が求めているのは、主体的な人々です。自分で考える人、提案する人、自ら行動する人。
 現存する受動的な人々の一割でも、能動的に変身したならば、その企業は大きな財産を得たのと同じになるだろうと、私は考えるようになりました。
                                         (浪 宏友)

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