詩誌「詩人散歩」(平成13年秋号)
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 鋸Q宏友事務所日誌

 あらゆる人々が真の人間の生き方に目覚め、真の幸福を味わっていただきたいと願って、人間性重視のコンサルティングを行うために事務所を開設し「ヒューマニスティック・コンサルテーション」と、願いを社名に添えました。
 私のコンサルティング理論の基礎は、印度哲学の縁起観です。庭野日敬師の教えを手掛かりに縁起観をいささか研鑽してきた私の自然な成り行きです。
 人間の姿は千差万別の上に千変万化ですが、縁起観はどのような姿どのような変化にも対応してくれます。ただ、私がこれをコンサルティングの基礎理論として活用できるかどうかが課題です。
 経営資源のひとつとして「人」が数えられるのは、「人」が経営に役立つはたらきをするからでありましょう。実際に企業経営に役立つのは、具体的な行動であるようです。
 周囲の人に好かれるいい人でも必要な行動ができなければ、企業という観点からはなんにもならないでしょう。
 逆に人間性や日常の態度などには問題があっても、実際に仕事が出来れば重宝されるようです。しかし、そのような職場では人が育ちませんから、いつしか会社としての力が弱っていくでしょう。
 本当に役立つ人とは、その仕事に必要な知識・技術・技能を持っていると同時に、人間的にも優れている人だと思われます。経営者には経営能力、管理者には管理能力、現場の実務者には実務上の専門能力が必要です。それらの能力が優れた人間性に支えられるとき、会社の業績も上がるはずです。
 そのようなことを考えた私は、仕事における人間の行動について、縁起観の語るところを学んでみようと思いました。模索を続けるうちにようやくたどり着いたのが妙法蓮華経で説かれている「十如是」です。
 特にその人の実際の行為・行動を表す「如是作」を中心にして企業における人材を検討してみました。すると内面性、外面性、人間関係などの課題・問題が解明されることが分かってきました。
 その人の能力、性格、表面化しにくい心、その人を取り巻く環境や人間関係、日常生活のありさま、その場の状況などが、その人の行為・行動を左右すると、十如是は語っているように思われます。このことを具体的に研究することが、現在の私の課題のひとつであるようです。
                                         (浪 宏友)

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