詩誌「詩人散歩」(平成13年冬号)
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 鋸Q宏友事務所日誌

 「人生相談をやっています」と言うと途端に皆さんは身を乗りだしてきます。こんなにも多くの方々が、人生・生活に悩みを抱いておられるのだと、最近つくづく分かってきました。
 企業や団体における人材育成を中心課題とし、ヒューマニスティック・コンサルテーションを標榜した経営コンサルタントとして船出した事務所ですが、世間はもっと基本的なところで私を求めておられるようです。
 職場におけるメンタルヘルスケアの問題は厚生労働省でも取り上げています。その内容は、主として病的な状態になった人びとに対する治療的なものを中心としているように思われます。もっと積極的に、心が病的な状態にならないようにするという視点、さらには心の健康を増進するという視点も謳われていないわけではないのですが、どうも添え物のように感じられてなりません。
 現在の政府は、社会に明るさを生み出す方策を立てて推進しようとするのではなく、社会に生じた暗さを減らすことに中心を置いているように感じられてならないのは、メンタルヘルスケアの面だけではありませんけれども。
 心の健康(メンタルヘルス)を損なう原因のひとつが、心を占領して離さない苦しみ悩みであるとすれば、これを抜本的に解決する取組みをしなければなりません。それがメンタルヘルスケアのひとつの局面であるように思われます。
 職場における悩みは多種多様です。そのなかに人間関係の問題があります。よく聞いてみると、悩みの多くは多かれ少なかれそのなかに人間関係の問題を含んでいるように思われます。人間関係の悩みが解決すれば、それまで抱えていた悩みがなくなったりします。多くの人びとは、悩みの本体を見失い、影を見て恐れているような感じすらします。 
 心の健康にもっとも影響の大きい人間関係は家族です。家族という関係はあまりにも身近なためか人間関係として意識されないことが多いようですが、やはり人間関係なのです。しかし家族のことは家族で解決しなければならないという観念があるように見受けられ、悩みがあっても表面には出しにくいようです。
 こんな実態が分かってくると、ますます私の出番が来たような感じがしてきます。皆さんの幸せのために、頑張らなければなりません。
                                         (浪 宏友)

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