詩誌「詩人散歩」(平成20年秋号)
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 編集後記


    【表紙の話】

◇東京の上野恩賜公園は古くから歴史の舞台となってきた土地である。 明治時代に入ってから公園となり、大正十三年に宮内省を経て東京市 に下賜された。名前に「恩賜」がついている由縁である。
◇古い歴史のある上野恩賜公園の奥に、表紙写真のような古くて大きい 木造建築物がある。私はこれまで、何かいわれのありそうな建物だな あと思いつつ見過ごしにしてきた。ところが今度、この建物にお世話 になることとなった。これも巡り合わせというものだろうか。
◇明治十二年に文部省が設置した音楽取調掛に端を発して誕生した東京 音楽学校。その音楽ホールがこの奏楽堂である。明治二十三年に創設 され、音楽教育の練習、発表の場として永く使用されてきた。東京音 楽学校は昭和二十七年に廃校となり、奏楽堂は昭和六十二年にこの場 所に移築された。今は東京都台東区の文化施設であり、国の重要文化 財に指定されている。
◇コントラバス奏者稲垣卓三が、ピアニスト大澤惠子と共に、ここで十 二月十九日に演奏会を開催する。二人とも、我々の親友である。
◇稲垣卓三は音楽家人生を大阪フィルハーモニー交響楽団の首席コント ラバスでスタートした男である。日本フィル、新日本フィルにも所属 したことがある稲垣は、演奏活動、作曲活動、指揮活動、教育活動な ど、音楽の世界で幅広く活動してきた。
◇日本における西洋音楽のゆりかごの役割を果たしてきた歴史ある音楽 ホールで、親友たちが渾身の演奏をしようとしている。主催者を務める夕焼けクラブにも、自然に力が籠もらざるを得ない。(浪)

    【本号投稿者】

倉本トモ子(千葉県市原市)
中原 道代(長野県長野市中御所)
大戸 恭子(東京都杉並区高円寺北)
山本 恵子(東京都新島村本村)
山口ハル子(宮崎県宮崎市佐土原町)

    【奥 付】

詩誌『詩人散歩』平成20年秋号(季刊)
平成20年9月1日発行(通算第78号)
編集者・浪 宏友
発行者・菊地良輔
発行所・夕焼けクラブ
ホームページ http://www4.ocn.ne.jp/〜yuyake/

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