詩誌「詩人散歩」(平成22年夏号)
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 編集後記

    【表紙の話】

◇友人が「はからめ」の葉を一枚と、苗を一本くれた。苗は植木鉢に植え、葉は浅い皿に水を入れて寝かせておいた。しばらくすると、皿に寝かせておいた葉から芽が出てきた。まさしく「葉から芽」であった。
◇葉から出てきた芽を植木鉢に移すと、どんどん伸びてくる。成長のスピードには目を見張るばかりである。途中で落葉した葉を、また皿に寝かせて水を絶やさないでいると、これまた次から次から芽を出して、増え続けるばかりだ。このため、友人たちにもずいぶんお分けすることとなった。
◇それから三年ほど経った。苗でもらったほうもすくすくと伸びている。今年の冬のある日、寒さに当てないために室内にいれてあるのを、良く伸びたなあ、もうすぐ天井まで届きそうだなあと見上げていて、はっとした。花が咲いていたのだ。
◇表紙写真を見ていただきたい。この小さな房のようなものひとつひとつが花なのである。先端がちょっと開いているのがあるが、これ以上は開かない。全体に明るい黄緑色で、先端だけちょっと赤い。真ん中から細い芯のようなものが出ているのは、咲き終わった花である。
◇この草は、本名をセイロンベンケイソウというらしく、和名では燈籠草(とうろうそう)と呼ばれることもあるという。その由来は、この花の形からきているのであろう。
◇私ごとで恐縮であるが、あまりにもけなげに咲いているので、みなさまに紹介したくなった。それにしても、熱帯産のはからめなのだから、大好きな夏に、外で咲いてもよかっただろうに、冬のさなかに屋内で咲いたことに、不思議さを感じている。 (浪)

    【本号投稿者】

櫛田 令子(東京都杉並区)
大戸 恭子(東京都杉並区高円寺北)
伊藤 一路(東京都豊島区池袋)
山本ルイ子(東京都豊島区池袋)
山本 恵子(東京都新島村本村)
中原 道代(長野県長野市中御所)
織田 信雄(兵庫県神戸市北区)
山口ハル子(宮崎県宮崎市佐土原町)

    【奥 付】

詩誌『詩人散歩』平成22年夏号(季刊)
平成22年6月1日発行(通算第85号)
編集者・浪 宏友
発行者・菊地良輔

発行所・夕焼けクラブ
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