詩誌「詩人散歩」(平成25年春号)
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 編集後記

    【表紙の話】

◇地下鉄新宿御苑駅の近くに、太宗寺というお寺がある。近代的なデザインの本堂があり、三門はない。スライド式門扉が開放されている。
◇入口を入ると右側に大きな地蔵菩薩像が、蓮華台に結跏趺坐している。左手に如意宝珠、右手に錫杖、頭には笠をかぶっている。錫杖は下半分が手元で折れて無くなっている。赤いよだれかけは、お地蔵さんの定番である。
◇太宗寺の地蔵菩薩は江戸六地蔵の3番で、江戸時代の正徳2年(1712)に造立されたとある。1番は品川区の品川寺で宝永5年(1708)に造立、2番は台東区の東禅寺、4番は豊島区の真性寺、5番は江東区の霊厳寺。以上五尊は現存している。5番のすぐ近くに享保5年(1720)造立の6番があったそうだが、これは現存していない。
◇16歳で出家した修行僧が、25歳のときに大病で死に瀕したという。両親がこれを悲しみひたすら地蔵菩薩に祈願したところ、延命していただいた。これに感謝して、修行僧は諸国を遍歴しながら教えを説いた。その途上、京都に六地蔵があることを知ると、江戸に六地蔵を建てようと発願し、人びとに呼びかけて、主要な街道筋に、千代田のお城を囲むように、六地蔵を造立したという。地蔵坊正元のエピソードである。 ◇表紙写真は太宗寺の地蔵菩薩像である。道の向こうにビルの立ち並ぶ新宿通りがのぞいている。人影もまばらな都会の午後である。 (浪)

    【本号投稿者】

櫛田 令子(東京都杉並区)
丸山 全友(香川県木田郡三木町)
織田 信雄(兵庫県神戸市北区)
清水 俊平(東京都足立区)
山本 恵子(東京都新島村)
大戸 恭子(東京都杉並区)
伊藤 一路(東京都豊島区)
山本ルイ子(東京都豊島区)
中原 道代(長野県長野市)

    【奥 付】

平成25年3月1日発行(通算第96号)
編集者・浪 宏友
発行者・菊地良輔
発行所・夕焼けクラブ
 詩人散歩編集部
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