【法華三部経を学ぶ その三十】 私たちの五種法師        浪   宏 友


  ◇登録商標

 「ビジネス縁起観」を特許庁に商標として登録しました。登録番号は第5066913号で、商標権者は、株式会社ピー・シー・コーポレーションと有限会社浪宏友事務所です。この商標は役務に対するものでサービスマークです。
 これまで「縁起」を含んだ商標は数多く登録されていますが「縁起観」を含んだ商標はこれが始めてのようです。
 「ビジネス縁起観」の商標で行なう仕事は、私たちが開発した経営に関する理論とノウハウ、ビジネスに関する理論とノウハウを、人々に伝えるというものです。
 これらの理論とノウハウは、釈迦牟尼世尊が説いて下さった縁起の法を始めとする重要な教えを芯としています。
 私たちは、釈迦牟尼世尊の教えを、経営者の皆さんにも、管理職の皆さんにも、サラリーマンやオフィスレディの皆さんにも、分かりやすく、実行しやすくお伝えするために長年研究を続け、ようやく理論とノウハウをまとめ上げ「ビジネス縁起観」とネーミングしました。
 同時にこれらの理論とノウハウを皆さんにお伝えする仕事をも「ビジネス縁起観」とネーミングして、このたび商標登録したわけです。

  ◇五十展伝

   妙法蓮華経随喜功徳品に、五十展伝と呼ばれる教えがあります。おおむね次のようなお話です。

 どんな人でもよい、妙法蓮華の教えを聞いて心に感動を覚え、聞いた教えを他の人に、聞いた通りに、自分の力でできるだけの程度で、熱心に話してあげたとします。それを聞いた人がまた心に感動を覚えてほかの人に伝えたとします。こうして話が次から次へと伝わり、それが五十回も繰り返されたとします。その五十回目に当たる人が、教えを聞いて心に感動を覚えたら、その功徳はまことに大きいものがあります。

 経文ではこのあと、五十回目に当たる人の功徳が私たちの想像を超えた大きさであることを、譬えを用いて説明しています。
 ここで「聞いた通りに」とは、教えに自分の考えを入れたりせずに、そのままということです。
 「自分の力でできるだけの程度で」は、自分の持っている能力でということです。話しかたの上手下手ではない、教えの内容が正しく伝わることが重要だというのです。
 「熱心に」は、まごころこめて、精一杯に教えを伝えようと努力することです。
 このようにすれば、教えが相手に正しく伝わります。正しく伝わりさえすれば、それが五十回目の人であっても、教えの内容に感動を覚えないではいられないのです。妙法蓮華の教えは、それほど偉大なものなのです。
 この教えを学んだ私たちは、自分自身が五十展伝の何番目かとなって、一人でも多くの方々に、妙法蓮華の教えを伝えたいと願いました。
 私たちが妙法蓮華の教えを「ビジネス縁起観」として本格的に伝えるようになったのは、この形なら受け入れてくださり人生を好転してくださる人々が次々と現れたからでありました。

  ◇五種法師

    妙法蓮華の教えを聞いて心に覚えた感動も、そのままにしておけばたちまち蒸発するかのように消えてしまいます。尊い感動を育て上げ、心に定着させることができれば、これからの人生の支えとなり、導きとなってくれます。
 心に覚えた感動を育てるためには、供養と修行が必要だと妙法蓮華経は言っています。
 供養とは教えに対する感謝の心を具体的に表現することです。教えを説いてくださった釈迦牟尼世尊の絵姿の前で、心を込めてお経を読むというような行いになります。
 修行としては、法師品で、次の五つが勧められています。
 第一は受持(じゅじ)です。受とは教えを学んで理解し信じることです。持とは教えを持ち続けることです。教えを持ち続けるとは、身の振る舞い、言葉の振る舞い、心の振る舞いを、学んで理解し信じた教えに合わせていくことだと、私は理解しています。
 第二から第五までは、受持を支えるための具体的な行いです。
 第二は読(どく)です。教えを読んだり、聞いたりして学ぶことです。妙法蓮華の教えは、学び直すたびに新たな目覚めを呼び起こしてくれます。
 第三は誦(じゅ)です。教えを覚えることです。教えや教えの意味が、本やノートを見ないでも、口に出したり、心の中で唱えたりできるようになることです。
 第四に解説(げせつ)です。今は「かいせつ」と読みますが、まさしく人に教えを伝えて解説してあげることです。この修行によって自分自身も教えをしっかり身につけることが出来るようになります。
 第五は書写(しょしゃ)です。教えを書き写すことです。教えを人に伝えるためです。その意味では、手で紙に書き写すだけでなく、印刷したり、映像化したり、インターネットを使ったり、方法も多様化しています。この修行も、教えを身につける力となります。
 以上を五種法師と言います。
 私たちは、長年学び続けてきた妙法蓮華の教えをもとに「ビジネス縁起観」を開発してきました。これを皆さまにお伝えすることが私たちの五種法師であり、書写の行いであると考えました。
 これまでにも「ビジネス縁起観」を学んで成果を得てくださった方々が大勢いらっしゃいます。それはそのはずです。ビジネス縁起観は、妙法蓮華の教えを説いているのですから。
 私たちはこれからも、五十展伝の何番目かの一人として、この努力を続けさせていただきたいと願っているところです。