声 浪 宏友 |
あのとき ぼくの胸に飛び込んで来た声は 遠いものかげでたたずんでいた 君の叫びだったんだね
気になりながらも捜そうともせずに
日が暮れてみんな散り散りになってしまった後も
気になりながらも振り向こうともせずに
夜が更けて 雪になり 誰も通らない道に
気になりながらもいつか忘れて
朝がきたとき
きみの前を通り過ぎたぼくの心に
あれ以来
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中国紀行 中原章予 |
仏の教え
宋時代かいやもっと昔のその昔
天台山
恩師のお陰様で値い得た尊い教え
滝
かつては恩師も歩き座禅を組まれし石梁飛瀑の滝
天台山に登る
異体同心一身に受けてのぼりし天台山
西安
鳩摩羅什の住した寺 舎利塔
石灯籠
霧たちこめる西湖を渡るエンジンの音心地よく
兵馬俑
秦の始皇帝の権力の絶対的象徴の平馬俑杭博物館
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歌声 中原道代 |
今 私は 合唱団のひとりとして 体育館の舞台に立っている 指揮者の手がさっと上がる 混声四部の美しい歌声が 体育館のすみずみに響き渡る 昔から歌いつがれている日本のうた ちょっと苦手なポップス バッハやモーツァルトの宗教曲 ひとりひとりの思いを込めて それぞれのちがった色合いの声を 重ね合わせて歌っている 美しいハーモニーが生まれる 夕やけ雲のようだなあ 色づいた雲が幾重にも重なり合って 不思議な程に美しい夕やけ 重なる色 重なる声 どちらも人びとを感動させる そのひとときに安らぎがある 私もあの雲の一粒の水滴 しっかりと確かに輝く一粒の水玉 歌う私たちの心にも じっと聞き入る人びとの心にも あの夕やけが広がっていきますように 歌声が体育館の高い窓から流れ出し 澄みきった秋の空に消えて行きました
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旅人よ 佐藤恭子 |
旅人よ振り返るな 夢がやぶれても
旅人よ叫べばいい
旅人よ走り出そう
そしていつか 命という
旅人よ眠りにつけ
そしていつか 定めという
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小さなきずな 佐藤恭子 |
小さな 指輪 手のひらでころがしてみる あなたの想いうけとめる 小さな きずな 信じてる 信じてる でも 私でいいの 私がいいの 転がる指輪に問いかける 小さな きずな 信じてる 愛してる ぎゅっとにぎって この確かな想い いつまでも 小さな きずな 大きくなあれ
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回想 粕谷浩一 |
振り向けば 儚く淡い記憶のかけら 巡る季節が呼び覚ます 貴方の影は遥か遠くに
幾度の涙を流しては
気付けば心奪われて
薄れる記憶に揺れる想いは
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