小さな公園 浪 宏友 |
こんなに汚れた町だけれど 桜はちゃんと咲くんだね いつだったか 君と出会ったのも こんな花曇りの午後だった 忘れ去られた小さな公園 こわれて腰掛けられないベンチの傍らで 花びらを肩に受けながら いつまでも並んで見上げてたっけ
今日はひとりで見上げている
約束してるわけじゃないけれど
立ち去ったら
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春の夜 浪 宏友 |
ぼくの背中に顔を埋めて 君は泣きじゃくっていた やがてかすかなさよならが聞こえ 小さな足音が遠ざかっていった
あのときぼくは振り返りもせず
春の夜はいつしか更けて
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春 中原道代 |
忙しさから一日開放されて 今私は東京行きの新幹線の中 リクライニングシートにゆったりかけて 外の景色を楽しんでいる 山々は新芽でおおわれやわらかな薄緑 さわってみたい春の色 遠くの屋根の上にこいのぼりが元気いっぱい泳いでいる 田植えも間近 高崎は雨 観音様がぼんやりかすんでいる トランベールをめくっていくと エッセイ「ありがたきかな」の題字が目にとび込んだ 残雪の岩手山とその里に咲く桜の写真が美しい 世界がどんなに混沌としていても その中でおだやかに生かされている幸せ ありがたきかな 「間もなく大宮」のアナウンスで目が覚めた 上野までもうすぐだ
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涅槃会(朝) 中原章予 |
遠くに救急車の音 み仏に向かい御供養出来る今 ありがたさ うれしさ み仏様の 開祖様の み教えをいただき四十年 八十歳を迎える今 此の良き日戒名当番のお役 又尊くありがたく 南無の心深く胸に 朝早く教会に向かう 今救急車にのる人も仏の子 回復を願いつつ 仏に向かう今の幸せ すべてに感謝しありがとうございます
この良き法縁に心より感謝し
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節分会 中原章予 |
福は内 鬼は外 もう 何年前になるかしら お父さんが豆をまき 私は笑いながら豆をひろう お父さん思い切り私に豆を 受ける心は時にはうれしく 時には悲しく 私の心の鬼を追い出して 幸せになってほしいと 仏様 お父さんの願い いま深く深く心にしみいり 今日一人で豆をまき 一人で豆をひろい 食べる 想いはいつまでも消えることなし お父さんありがとう 御仏様開祖様 ありがとうございます
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お正月 山本恵子 |
夜明けなのに暗い朝 黒い雲白い雲流れ 墓まいり自転車に乗って ルンルン気分で走った
誰もいない墓地 ワー
月日の流れ早いのね
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自然に生きる 山本恵子 |
お猿の平成坊や遊んでいると可愛くて 山の木の実葉を食べて 僕達自然で生きている
人間様より働いて自然の世界で生きる
お腹一杯になると仲間のいる山に帰り
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