これっきり 浪 宏友 |
もう これっきり そう言って別れたはずなのに 今夜も あなたのそばにいる
ときがめぐると潮が満ちるように
大都会の裏町の小さなひととき
もう これっきり
決まり文句で歩き出せば
ぼろ布のような私が
もう これっきり
つぶやきながら見上げる空に
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ブランコ 中原道代 |
昼下がりの遊園地 満開の桜の下で 幼い姉妹のブランコふたつ 大きく小さく揺れている 背中を押すたびどんどん高く あの雲めがけて足のばす お腹の底から笑ってる 桜の枝が大きく揺れて 広場いっぱい花吹雪 二人の髪に舞いかかる
ママにおみやげタンポポ摘んで
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幸福 山本恵子 |
運動の帰り道 思わず足を止めながめる それは美しく咲いた八重桜二本 桜のように可愛い女になりたいと思う 一汗かいて着替え冷水の又うまいこと 世の中には至福を感じるものがいっぱいある こんなに幸福でいいのだろうか
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ラーメン食すしあわせ 山本恵子 |
長男夫妻の帰途立ち寄ったラーメン屋 中身がこかった うまかった 見送った後も余韻が残る みんなで食べたせいだったのか あと引くあの味思い出し 月に三度は外食し この世にこんなうまいラーメンあったなんて しあわせいっぱいの気分になれる これでしばらく大丈夫
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