小さな花 浪 宏友 |
こんなに小さな地面だけれど こんなに小さな花だけれど 精一杯に繁茂して 精一杯に咲いている
ここは大通りの脇だから
小さな葉がかすかに揺れたのは
小さな地面に
ひっきりなしの自動車の群れ
誰の目にも止まらない
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秋の日ざしの中で 中原道代 |
河原の石に腰をかけ 川のせせらぎ 鳥のさえずり 浅瀬に小さな魚達 足元見れば蜘蛛や蟻 小石に休む青いかめむし 秋の日ざしを浴びている
草原行けば飛びかうバッタ
紺碧の空に赤トンボ
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明日に向かって 山本恵子 |
遠くの我が子はどうしてる 仕事仕事 どこにいるかって 出張に続く出張で家にはいないとの事 時々は電話のほしい親心
用事のある時電話する
まだまだ年ではないよ若いのだってさ
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二人の夢 大戸恭子 |
そっと小指をからませながら 夢はかなうと言った人 あなたは今頃浮草暮らし それでも私待ってます いつか二人に春が来る日を
そっと口づけしてくれたあと
そっと体をだきしめながら
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