寒い朝 浪 宏友 |
その夜は心が蒸し暑かった ひねくれた嵐が吹き荒れた後の よじれためまいがいつまでも残っていたから 少しのものおとにも引き裂かれて 心がぐっしょり汗ばんでいた
ひとりうずくまる乾いた部屋
夜のしじまが息をひそめ
ふと促されて立ち上がり
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ヒメオドリコソウ 中原道代 |
カメラ片手に春さがし 土手に広がるヒメオドリコソウ 川原の風に震えてる ファインダーを覗き見る 薄赤い葉の中に 小さなピンクの花・花・花 笠をかぶって踊ってる 蜜蜂達も仲間入り タンポポ一りん主役にさせて 肩を並べて春ですょー 私も花に誘われて 土の温もり春ですねー
まだ雪解けぬ根子岳が
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晴れ 伊藤一路 |
晴天の日は理屈抜きで 気持ちがワクワクする
曇りの日は不安の種を
雨の日は普段やらないような
嵐の日は守られている事に気付き
次の休みは晴れるだろう
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大切な仕事 山本ルイ子 |
病気を治してくれるお医者さん 虫歯を治してくれる歯医者さん 困った時は弁護士さん
そして私は美容師
みんな誰かの役に立つ仕事
どんなに辛くても
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母の思い出 山本恵子 |
ぬいものする母の手傳 針に糸をとおすこと 長い糸を作るとしかられ
糸がからむと布にまくり
時間があると古着とき
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父の思い出 山本恵子 |
幼い頃 私の家は墓地近く お母さん おばあさん方 水くみにきて墓に通う 道をきれいに庭も竹ボウキ
私の仕事は早くからゴミ整理
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あなた 大戸恭子 |
海の底 誰かに聴かせたくて ギターを弾いてる人 皆に聴いてもらいたい たった一人の恋人に聴いてもらいたい 僕はここに居るよ いつでも居るわけじゃないけど 波のよすまま 流れに乗って来ました。 なんだか おかしな人 おかしな曲 私は笑いながら 遠くから彼を見つめてた。
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新緑 織田信雄 |
四月の初めに こころを白く染めた桜の並木は 今はもう緑が眩しいほどである
淡いピンクの小さな欠片は
母の手の温かさが
小さな町中での四月
しかし宇宙は無限に広い
そして同じ地表に四月はめぐりきて
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