悲しみ 浪 宏友 |
こみあげてくる悲しみ 身体を破り 激流となって 四方にあふれだし 飛沫をあげ なにもかも引き裂き どこまでも どこまでも 行方定まらぬまま広がりゆく
町を歩けば
突き上げてくる悲しみ
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東風 中原道代 |
河川敷に春風が吹いていた つくし摘む少女の髪が揺れている 川辺で遊ぶ若人の笑い声が風に乗る ボールを蹴る少年たち 駆け回る幼な子 散歩する親子 みんなみんな伸びやかだ ラケットにぎる貴女の笑顔も光ってる 私も負けじとラケット振れば 風がボールを舞い上げる ふたりの足は右往左往するばかり 走り疲れて少し休けい 子供がさし出すお茶飲めば 体の奥にしみ渡る 春をいっぱい吸い込んだ グランドに人影まばらになった頃 太陽が西のお山に落ちていく 風に押されて さあ 帰ろう 垣根越し マレットゴルフのおじさんが ねらいをつけて ホールイン!
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花 大場 惑 |
忘れ去られた野 見捨てられた道の傍らに そっと芽生えて 静かに咲き 誰の目にも触れず ただ 風に揺れ やがてしぼみ 消える 忘れ去られた野 見捨てられた道の傍らに
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ジョニーのお母さん 大戸恭子 |
さざ波を越えてゆく 波のりの上手いジョニー お母さんが教えたのさ 波のりの上手いジョニー あの娘(こ)を口説いていた その手口の上手いジョニー お母さんが教えたのさ その手口の上手いジョニー
きっと、誰もが好きな
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遠いのに近い 山本ルイ子 |
急に声が聞きたくて電話をかける 懐かしい声が心地よい 元気だった? 仕事はどう? 風邪は引いてない? たわいもない会話が弾む
ではまたねと、電話を切った
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一流 伊藤一路 |
どの世界にもプロがいる その中にさらに一流といわれる人がいる ある日、ネットで卓球の試合を見た 世界大会であろう国を代表する 選手同士の真剣な試合だった レベルの高い激しい試合だった 後半汗だくの二人を見ていてある事に気付いた 二人とも笑顔なのだ この真剣勝負の中笑っているのだ それに気付いた観客も皆笑顔になっていた あまりにも技術のレベルが二人とも高過ぎて 勝負というものを超えてしまっているように見えた 一流とはお互いに勝ち負けのレベルを超えて楽しみ それを観ている人達まで笑顔にしてしまうこと 真剣勝負のその先に皆の笑顔と感動が生まれたら それは一流の証なのだと・・・ 一流って凄いな
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作品 清水俊平 |
地獄 怒ると物を作らず物壊す
退屈
諸行無常
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