寂れた町の片隅で 浪 宏友 |
きみは ぼくの恋人のはずなのに ちっとも ぼくのそばにいてくれない
あわただしい足音をたてながら
きみは ぼくの恋人のはずなのに
いつも取り残されるぼくは
ある日 きみは
きみは ぼくの恋人のはずだったのに
寂れた町の片隅で
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積み木のかくれんぼう 中原道代 |
秋の日ざしがさっと消えた うす暗い部屋のかたすみに 積み木たちが残されている さあ 木箱のおうちに帰りましょう ひとつ ひとつ 並べていくと 丸と三角の席が空いている まだ どこかに かくれているよ どこだ どこだ カーテンのかげに 三角さんみーつけた! 丸さんはどこだろう テレビの向こう 絵本の中 ソファーのすき間 みつからないなあ 一息入れて子供の動き思い出す 気合を入れて もう一度 おもちゃ箱をかきまわす 黄色いコップの奥底に きっちり はまって かくれてた
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我が子 山本ルイ子 |
新しい生命を授かった 始めは半信半疑
お腹の中で成長していく我が子
色んな思いが私を母へと導いてくれる
だから、このままでいいんだ
私を産んでくれた母のように
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信じる 伊藤一路 |
信じるということは相手の問題ではなく 自分自身の問題 ネガティブな発想が猜疑心を生む 一つの事実をその瞬間に 真っ直ぐに受け止めるだけでいいのに それで終わればいいのに その事実一つしかないのに あれこれ無駄なものと結びつけたがる 何も考える必要はない 根拠もなくただ信じれば良いのだ ただただ信じれば良いのだ 信じられないと言う事は 自分を信じていないと言う事 不安だと言う事 どっしり構えたい 穏やかな表情で
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ぶちこへ 中野典子 |
ぶちこ 君はこの広大な公園のどこかで眠って いるんだろう。 むりもない あれから十余年も経つのだから 生きているはずもない
今、あなたが私の体の中を風になって
ありがとう
雪のふりつもる夜、あなたはどこにいたの?
ごめんなさい
今度、生まれ変わったら
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