遠いぼく 浪 宏友 |
君がさがしているぼくは 遠い日のぼく 青い野原に立ち上がり 澄み切った空に両手を広げていた あの日のぼく
君が求めていたぼくは
君が呼んでいるぼくは
それでも君は
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君からの手紙 浪 宏友 |
君からの手紙が届いているという ぼくのポストにいっぱいだという けれど ぼくは 一通も読むことができないのだ
君は毎日書いているという
青空のように
君からの手紙は毎日配達されているという
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飛行機の旅 山本恵子 |
雲って不思議幼い頃 母が布団を作っている 姿を見ながら思いついた 真綿を広げ延ばしたり 薄くなっても途切れない
雲は薄くなったり厚かったり
江ノ島海岸見えてきた私東京が
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無題 山本恵子 |
いつかこの日がくるんだという 考えたくないが本当だった 幾多の思い出を胸に今日が最後 別れがこんなに辛いものと知らされる 修行してきた筈なのに
心の深さ共感し各々違った思い出
私の居ない所から去ってほしい
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無題 山本恵子 |
夕方浜辺に立って海のなか カモメがみずあそびしていた 話しかけたが答えてくれずさみしかった 会話ないのに変なわたし 伊豆のやまやまが美しく冷え込んで 寒そうに見える感じるのは私のみか
山も海も見方で変化し
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二羽のハト 中原章予 |
今日も天気 窓に朝日が光る いつもまどの外にとんで来る二羽のハトネグラはどこなの あなたたち夫婦? それとも恋人同士? 何時も仲良く クック クック 一羽がとんで来て二羽の間に入る 横恋慕しているのかなあ 時々入りこむ一羽 たちまち殺気立つ三羽 女ハトをさらいに来たのか ハトは平和の象徴 仲良くしてね 青空高くふわふわと雲流れ来て 何時の間にか青空をおおいかくす 夜は雨か 二羽のハトはどこでねむるのだろう |
光 中原道代 |
新春の朝 太陽の光は雲に山に水に すべてのものを照らし それぞれが生き生きとかがやいている
仏の光は常にこの私にも
あたたかな光を体中にあびて
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