起きなよ 浪 宏友 |
そろそろ 起きなよ とっくに 日は昇ってるぜ きみには まだ 真夜中なのかい そんなこと言ってたら たちまち日が落ちて 本当に 真夜中になっちまうぜ
そろそろ 起きなよ
そろそろ 起きなよ
苔の生えた分厚いカーテンを取り払って
固くて 重たい 古びた布団を押しのけて
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わすれ草 中原道代 |
川辺を歩くのは久しぶり 樹木が大きくふくらんで すっかり夏の景色になっている ゆっくり歩く私を 若者たちが追い抜いて行く やわらかな木もれ日の小道に入った 薄暗いやぶの中に ひと株のわすれ草を見つけた やさしいだいだい色の八重の花 まわりをほんのり照らして ひっそりと咲いている 今年も会えた! 私の好きな花
私はまた歩き出す
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気付き 伊藤一路 |
人が自ら行動するとき それは気付いている証拠 気付かない事には動けない 言われてしぶしぶ動くようでは 気付いていない 人は嫌いなことでも辛いことでも 気付けば行動できる
親としてやるべきことは
今俺が気付かなきゃいけないことは
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うしろへ 大場 惑 |
顔は前を向いていて 前に歩いてるんですけれど どんどん どんどん うしろに下がっているんです
うしろへ うしろへ
大声で
どんどん どんどん
それでも前に進んでいると
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