川面 浪 宏友 |
「私を さがしてね」
そう言ったきり
追いかけたい気持ちを噛み殺して
夕暮れの堤の下には
きみをさがしたい気持ちを噛み殺して
ぼくの乾いた心の奥で
「私を さがしてね」
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原っぱ 中原道代 |
川の音を聴きながら 萌え出た草を踏みしめて歩く 青葉の息吹をいっぱい吸っている 梢の小鳥たちも 足元の小さな虫たちも このおいしい空気吸っているんだね
この広い原っぱを
夕暮れに
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失敗と気付き 伊藤一路 |
親の仕事は子供に気付かせること 親も子も気付かなければ自ら正しく行動はできない 理想は自分で気付き自分で行動すること 子供には色んな事に気付いて欲しい 言葉で伝えて気付いてくれる事もあるけれど 自分を振り返ると気付きは失敗する事だった 死なない程度の失敗で沢山気付いてきた こういう気付きは忘れない 親の仕事は子供に死なない程度の失敗を させる事ではないかと思う その為にはしっかり見守る 子供と一緒に失敗をして失敗と気付かせる 失敗させないように怪我をさせないように 親が手を引いてばかりではいつまでも子供は気付けない 子供の失敗をしっかりと見守りたい そして気づく事ができたならそれは失敗ではなくなる
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四季のつぶやき 大戸泰子 |
葉桜を ただの樹木と 思う頃 青い空には 入道雲よ
このバスの 冷房少し キツイかな
雨に濡れ 香りを聞けば 紫陽花の
水たまり 青空映り 見上げれば
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老いぼれ 大場 惑 |
冷え切った闇の底で思い出す
あのころは
あのころは
気がつけば とっくに 誰も居ない
冷え切った闇の底で
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