手と手 浪 宏友 |
手を離さないでね 真っ暗闇だから 一度離したら 二度とはつなげないから ぼくの手と きみの手と しっかり 握りあって 決して 離れないで 行こうね
探り 探り 歩いている僕たちを
支え合いながら ようやく歩いているぼくたちに
力いっぱい握りしめているぼくたちの手と手を
だから
いつのまにかつないでいた手と手だけれど
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嵐が過ぎて 中原道代 |
洗たく物をたたんでいたら ひよどりのさえずりが聞こえてきた そっと障子を開けてみる 目の前のフェンスに 山茶花の枝に となりの屋根にも ピヨピヨ ピヨピヨ ピーピーピー チチチチチー いろんなことばがとびかっている 心なしか興奮ぎみ 「きのうの風 すごかったね!」 「向こうの川が大変!」 なんて言っているのかな 私も仲間に入って にぎやかなお喋りを聞いている 重い心が少しずつ晴れていく
急に鳥たちが飛び立った
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変化 伊藤一路 |
絶えず変化する 長い期間で変化するもの 短い時間で変化するもの 一瞬で変化するもの 永遠に同じでは居られない 同じな訳がない 気付いていないだけ 変わらないために変化する 変化に対応し変化する 自分の意思では止められない変化に 正しく柔軟に変化する そうやって変わってはいけないものを 守らなければならない 余計なことに囚われずに
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くず鉄 大場 惑 |
ロボットがやってきた 人間顔してやってきた 拝んでる奴らがいる ご利益が欲しいのだ ロボットがご利益を振舞う 予定通りのご利益を振舞う 押し戴く奴らがいる
ロボットは歩いていく
ロボットが止まった
何処へ
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白い雪 大戸 恭子 |
雪の舞う むこうの 貴方の 住む町へ この想い この切なさを 届けたくて ただ届けたくて
物言わぬ 雪の様な 貴方の 横顔が
白い雪 見る度 貴方の 事を想う
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