あなた 浪 宏友 |
座るあなた どこまでも広い野原に咲くひと群れの花のように 明るい日差しの中で静かに輝いている
立つあなた
歩くあなた
立ち去るあなた
そして いま
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おながどり 中原道代 |
河原を歩いた 私の好きな小道 幾日ぶりだろう 雲間から来る光には まだ少し夏の余韻が残っていた 野原に目をやると 青白い鳥が沢山飛びまわっている おながどりだ 子供達が走りまわる原っぱで 今日はおなが達が遊んでいる こんな近くで あんなに伸び伸びと なんてきれい 私は小さな木になった
冷たい風が通り過ぎた
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鉛玉と紙風船 伊藤一路 |
彼は鉛玉 地面をゆっくりと確実に踏みしめながら進んでゆく 手のひらで押してあげると 重たいけれど力強くブレる事なく周りを見ながら進んでゆく 息を吹きかけたぐらいじゃ進まない 柔らかいが故に細かな傷は沢山付くけれど 彼が進む方向に影響はない
だからしっかり押してあげないと
彼は紙風船
だから上手に吹いてあげないと
正反対の二人だけれど
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四季のつぶやき 大戸恭子 |
生きていく 静かな波に 身をまかせ 今日という日も 明日へ流るる
晴れた日は 洗濯物が 良く乾き
また見たい あなたの笑顔 何度でも
参道を 幾人歩く 砂利道の
耳澄ます 待ち合い室に タービンの
エアコンを つけることなく さわやかな
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喧嘩 大場 惑 |
奪い合い 壊し合い 殺し合い 数十年 数百年 数千年 もしかしたら数万年 それは 大仕掛な喧嘩
無意味な喧嘩の陰に 逃げ惑う無辜の人びと
喧嘩は拡大の一途をたどり
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