涙入りご飯 浪 宏友 |
あっ 高木君だ 嬉しくなって駆け寄ろうとしてギクッとした となりにマミがいる いるどころか 手をつないでいる なんで! なんで!
棒みたいになっている私をマミがみつけた
じゃあね
急におなかが空いてきた
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白い花 中原道代 |
兄の葬儀の後に 手渡された大きな花束 兄の面影をそっと花にしのばせて 持ち帰った 大きな花瓶に あふれんばかりの白い菊 今夜はひと晩中 花たちが 思い出ばなしで賑わうだろう 凍てつく満州の冬のこと 引き揚げ船の話しとか・・・ 幼ない頃の私になって 花たちの話を聞いている
ふと傍らの植木鉢に目をやると
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順応性 伊藤一路 |
お袋がよく口にしていた台詞が「まぁいいか。」 当時は何て適当な人なんだと思っていたけれど 今となってはレベルの高い順応性だと気付く 環境の変化や天災や人災 歳をとることで起こる自分自身の変化 毎日の天気ですら同じ事は無い その中で心地よく穏やかに生きていく為には 抗うのではなく順応していく知恵が必要だ しかしそれをいつも邪魔するのは囚われ ずっとこうしてきたんだ 今まではこうやってきたんだ こうと決めたんだ そんな事はやった事がない お袋にはそんな囚われが無かったんだと思う 変化に合わせて「じゃぁどうしようかな」って変化する できなかったら囚われずに前向きに「まぁいいか。」 知恵を絞って順応するポジティブなお袋の姿は 呆けた今でも変わらず健在で尊敬に値する
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