詩誌「詩人散歩」(平成15年冬号)
◆これまでの【短歌】を掲載しています。

  秋の雨の日                 山口ハル子

暮れてゆく秋の日はさびし沈む夕日一人の暮しは亡き夫子恋う

子が逝きて今日は三十四回の命日ともう五十六歳のおじさんと数える

今日は雨秋雨にゆるゝコスモスの子の逝きし日も遠くなりしと

雨降りてゆるゝコスモス秋深し道々見ゆる花々を車窓より

あどけなき三歳の顔もう一度見たしかなわぬことゝ又一しずく