春近し 山口ハル子 |
子の逝きし悲しみ書きし一冊のノート出できて夫の恋しき
今日は晴雲一つなき青空に春も近きに来しと思う
御飯食べに行こうと子等にさそわれて八十路の顔に一寸紅さす
杖をつく足ひく我なれど体調のよき日はうれしさつと用意する
窓辺より見ゆる桜も葉桜となりて今年の春も過ぎゆく
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院内随感 山本尚男 |
点滴でつなぐや今日の我が命
病院の白い天井とニラメッコいつまで続くか今日も勝てない
看護師の献身的なふるまいに心で合掌胸ジンとくる
看護師の白衣眩い今朝の空快癒みやげに我は去り行く
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