一人暮らし 山口ハル子 |
朝六時の花火におどろくおきいでて一人暮しは運動会も忘る
バタバタとにぎやかな声足音にあゝ二学期だと気をつけてと私
秋彼岸近くなり頬をなず風にさわやかになり暑き日に思う
朝夕は寒くなりしと毛布かける春夏秋冬季節におゝじて
かぜ引きてふせれば過ぎし日々のこと夫子の恋しく涙とまらず
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旅路 藤井正子 |
白い雲ながれながれてどこへ行く乗って行きたいみ佛のもと
台風におしながされて田や畠みのりの秋もゆめのまたゆめ
人生の長き旅路をありがたう老いたる足に感謝の湿布
騒音にめざめてみれば点滴の残りすくなき時間となりぬ
過去未来八十路をすぎたこの身には過去はありてものぞめぬ未来
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