桜咲く 山口ハル子 |
ぢんちょうげ寒さにたえてふくらみし春を待つかにピンク色なり
山桜あちこちに見る春近し寒さも終りと私もうきうき
目覚めると道路むかいの桜目に小さき頃より見るもういくつ
電線に小雨降る中二羽のカラス止まりて仲良くしばしばながむる
嫁植えしつつじの咲きて日毎ながむ花の咲きしは心はなごむ
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我が道 藤井正子 |
今日も又便り待ちつゝ日が暮れて街の明かりも涙でにじむ
音もなく降る初雪に思い出す昔なつかし韓国の空
気をつけて何時もかわらぬ母の声背にうけて出るバス停の道
白衣着て朝の挨拶さわやかに血圧はかるナイチンゲール
年老いて我が行く道はけわしけれ車椅子にてリハビリの日々
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野の道 山元和子 |
うしろからポンとたたいて春の風なまあたたかく通りすぎゆく
うらにわに白くさいてるゆすらうめひと雨ふればちる命かな
野の道をふと下みれば春のかおつくしんぼうがにっこりわらう
上棟式人あつまればざわざわと頭に当る赤白のもち
孫きたり一夜泊りてうれしかな戻りしあとの淋しさよ
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