詩誌「詩人散歩」(平成20年冬号)
◆これまでの【短歌】を掲載しています。

  秋の夕                   山口ハル子

虫の鳴く声に秋だと思いたり一人の暮し淋しき夕あり

彼岸花咲きし墓辺に草ぬけば秋風吹きて頬をなでゆく

子の墓標共同墓地の片すみに車の音を今日もききおり

墓辺より見ゆるお鈴も美しく山は晴れいて眺めいたりぬ

痛む足かばいて家事をこなしゆく秋の陽ざしはさんさんと降る