詩誌「詩人散歩」(平成13年夏号)
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  春の日に                    山口ハル子
亡き夫が陽なたぼっこに過ごしたる場所にすわればぬくもりの伝わる

三回忌無事にすませて仏前に手を合わせれば夫の笑顔見ゆ

草ぬけば夫の植えたる沈丁花匂いただよい亡き人の思わる

櫻散るを日々ながめいて今年の春も過ぎるかと窓より今日も

釈迦堂の前を通れば幼き日祭りにぎわいハラハラと櫻散る