正月・花見 山口ハル子 |
風もなく太陽は照り春が来たと春が来たよと口ずさむなり
正月は兄弟よりて元気でねと酒くみかわす元日も過ぎる
私が一番の姉九人も育てし親を思いて手を合すなり
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短歌 櫛田令子 |
二千八年二月二十一日 有明の月は円(まど)かに、白く浮き、如月二十日今明けんとす
二千八年七夕
天の川へだてて会はむ、二ツ星今宵は晴れよと神に祈りぬ
織姫の夫(つま)にまみゆる一夜なり、雨よ降らすな天地の神
己が身の、一代記語り、とめどなく施設の朝のつとにかしまし
夫(つま)と逢う、昼のひととき、楽しかり、飯もうましよ今の安らぎ
二千八年八月
好物を、たらふく食し、足らひたる、これ本能と云うべきか、否か
二千九年一月元旦
金色の鈍(にぶ)き光を、放ちつつ、月は円かに、心照らしぬ
再びを学び直さん思ひにて、万葉季歌取り寄せて見ぬ
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