詩誌「詩人散歩」(平成27年秋号)

yuyake

◆これまでの【短歌】を掲載しています。

  短歌                  櫛田令子(光蛍)

うた詠みの はしくれと思う おごりなり短歌(うた)にはならぬ 三十一(みそひと)の文字
何時の日か 弟妹に遺さむ 思ひありただひたすらに 短歌(うた)よみ継がむ
特養に 或る身は 侘し様々の己の感情 むきだしにして
暗暁に 目覚めて悲し 眠られぬ幾夜つづくや 唯眠りたし
神無月 はや秋最中 足なゐの吾もみじ狩りする ゆめの又ゆめ
昼食には いささか早き 束の間を生きる証しと 短歌をすずらむ