詩誌「詩人散歩」(平成28年夏号)

yuyake

◆これまでの【短歌】を掲載しています。

  短歌                  櫛田令子(光蛍)

天災と肯いつつも 台風九号の 爪跡悲し 幾多のみ魂よ
中秋となりにし今も 尚暑し 涼風立つを ひねもす待ちぬ
朝食を待つ間に一首と思ひつも 短歌にはならず 心もとなし
ゆめに見したらちねの母 ちちのみの父の恋しさよ 特養に在る吾も老いたり
何をせむ思いも涌かぬ 昨日今日生きとし生きる定めに過ごしぬ
夕まぐれ 食う事のもの楽しみといやしさを恥ず 我が明け暮れに