詩誌「詩人散歩」(平成28年秋号)

yuyake

◆これまでの【短歌】を掲載しています。

  短歌                  櫛田令子(光蛍)

明けぬれば、昨日に変わらぬ今日でありて短歌一つ増ゆ、それが樂しき。
夕食をすませし後の吾が思い、寝ねがたくある今宵は眠りたし。
夕食を待つ時間(とき)は長し、今日一と日暮れなんとする事をほぎゐつ。
束の間も待つは長かり、夜の来ていねつくまでの痛みに耐ゆる。
特養を、終の棲家と定めてより、やがて十年の春を迎へぬ。

                       櫛田令子(光蛍)さんは、昨秋ご他界なさいました。
 生前にお預かりした作品を、本年春号・夏号にてご紹介させていただきましたが、今回ご紹介させていただく作品ですべてとなります。
 改めて、櫛田令子(光蛍)さんのご冥福を、お祈りもうしあげます。 (編集子)