詩誌「詩人散歩」(平成29年夏号)

yuyake

◆これまでの【短歌】を掲載しています。

  四季のつぶやき             大戸 恭子

冬空に飛行機雲のあと見れば遠い未来と近い未来と
風強く木々も揺れてる木枯しに飛ばされまいと帽子を押さえ
半世紀生きてきた事ふと思う我の命も折り返しかな
打ち寄せる波を数える幼子の親に連れられゆく海辺かな
ドアを開け部屋に入りて名を呼べば応える人のいるあたたかさ
けんかして怒り治まりごめんねと言えるふたりの絆深まる