詩誌「詩人散歩」(平成14年秋号)
◆これまでの【短歌】を掲載しています。

  一人暮らし                 山口ハル子

梅雨空に雨になるかと気になりぬ五月晴心も晴れて

年も忘れて杖をつく身は我一人手を借りて今日一日をおたのみします

足腰の不自由なれど一人暮らし今日の一日もつゝがなく終る

主なくも蘭の花咲き夫恋し匂ただよい思わずあなた

よき嫁を頂き我は幸なり今日もせっせと掃除機にぎる

  四季の想い(夏に)             佐藤恭子

この人はどんな人かな駅員がイチゴ模様の座布団かかえ 

日曜日仏様までねむそうだコーヒー入れて供えてみよう

人生も急ぎ足の通勤も信号待ちで追いつくだろう

盂蘭盆会行かぬ行かぬと言う人をありがたさから無理にもさそい

しのぶればしのぶるほどに恋しくてただそれだけで暮れる日々かな

天の川一年ぶりの願い事かなえてほしい天の恋人