詩誌「詩人散歩」(平成15年夏号)
◆これまでの【エッセイ】を掲載しています。

  I君の初マラソン                        浪 宏友


 若き友人I君は、中小企業の専務である。いつも真の経営を目指して研鑽を続けている。そのI君が長野マラソンに出場して自ら立てた目標時間内に完走した。I君にとって初マラソンであった。
 走り出してすぐに足が痛くなったという。けれどもフォームを崩さずに走り抜いたという。素晴らしい態度、素晴らしい精神力である。
 多くの人は、ものごとを進めるときに「うまいやり方」を探す。しかしうまいやり方はその場限りで長続きしなかったり、小手先であるため悪い副作用が起きたりする。
 「正しいやり方」を求めるべきである。正しいやり方には普遍性があるからどんな変化にも対応できる。正しいやり方は未来に向かって発展する要素を秘めている。
 I君は長野マラソンで正しい走りかたを貫いてくれた。この姿勢、この精神力があれば、必ず立派な経営者として大成するであろう。
 このような若き友人が身近にいることを、私は誇らしく思っている。

  晴れた日に                       山口ハル子


 幾山河越えさり行かば寂しさの果てなむ国ぞ今日も旅行く

 牧水の歌に八十路を生きて来し日を重ねて思う。家族が揃っている時は毎日が前向きで張りがあったと思う。子も一人逝き夫も逝きあれこれと思っていると寂しくなって一滴頬を流れる時がある。残りの人生をよろこびを見つけて生きて行かなければと時には思う。今日は良いお天気で家から見える桜がチラホラと咲いてきた。
 春夏秋冬季節は忘れず花を咲かせてくれる。よし私も生きている日々を楽しみを見つけて元気だしてと思う。今日を明日を頑張って生きて行こう終わる日まで。
 四十三年の記念行事に教会に行き話を聞いた。「人生は苦なりどう生きて行くかに価値があると良いお話しであった。前向に生きて行こうこれからの人生を子等夫婦はやさしいので何時もありがとうと言う。何よりも 日々が心が平和である。今日もありがとうございました。