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田上太秀博士が著した『ブッダが語る人間関係の智慧「六方礼経」を手がかりに』(東京書籍)を読んでいましたら、事業主と従業員の関係に言及しているところがありました。 ブッダとは、釈迦牟尼世尊のことですから、紀元前五百年か六百年か、そんな昔に説かれたお話ということになります。
ここで釈迦牟尼世尊は、事業主に、「従業員に尽くす」ことを説いています。一方、従業員には「事業主を愛する」ことを説きました。
事業主が従業員に尽くす内容のひとつに「その能力に応じて仕事をあてがうこと」があります。これに対応して、従業員が事業主を愛する内容のひとつは「その仕事をよくこなすこと」となっています。
このとき私の頭をよぎったのは、ドラッカーです。彼は、働く人を生かすのは、マネジメントの責任のひとつだと言っています。
マネジメントが働く人を信頼するから、やりがいのある仕事を、責任と権限を添えて任せることができます。
二五〇〇年前の釈迦牟尼世尊と、現代の巨人ドラッカーが(時代相の違いもあって言葉は違っていますが)同じ主旨の話をしているのは偶然ではありません。いつでも、どこでも、だれにでもあてはまる真理に基づいた言葉であれば、誰が語っても、その本質が変わることはないからです。 |