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不平不満は、怒りの一種です。ものごとが、自分の思い通りにならない。他人が、自分の思い通りに行動しない。それで不平不満を言います。
不平不満は周囲の人びとを不幸にします。不幸にされた人たちが背中を向けます。それが気に入らないと言って、さらに不平不満を重ねます。
人間は、自分の行為・行動を見て、自分はこういうことをする人だと自己認識をします。しかも人間は本能的に、自分は正しい、自分のしていることは正しいと思います。
不平不満を言いますと、自分は不平不満をいう人だと自己認識します。そして不平不満を言う自分は正しい、自分の言っている不平不満は正しいと思います。
人間には、したことはしやすくなるという性質があります。不平不満を言うと、不平不満を言いやすくなります。このため、繰り返し不平不満を言うようになります。
不平不満を繰り返しますと、自分は不平不満をいう人だという自己認識が深くなり、やがて潜在意識に定着します。こうして自分が不平不満を言うのは正しい振る舞いだ、自分らしい振る舞いだと、心の底から思い込むようになります。
不平不満を言い募りながら、俺に不平不満を言わせるお前たちが悪いと、周囲を責めている人がいました。見かねた人から注意されたら、鬼のような顔をして反撃していました。
俺は怒りっぽいんだと言って、威張っている人がいました。俺を怒らせたくなかったら、俺の言うとおりにしろと要求していました。
他人に迷惑をかけると、自分は人に迷惑をかける人だと自己認識します。人に迷惑をかける自分が正しいと思います。やがて、自分が他人に迷惑をかけるのは当たり前で、悪いことではないと思い込むようになります。
不平不満を言う、怒る、他人に迷惑をかける。どれも不幸な姿です。こうした不幸な姿が、自分の当たり前の姿だ、自分らしい姿だと芯から思い込んでいる人が、現実に存在するのです。そして自分・他人・世間を不幸に引きずり込むのです。
自分はそんなふうにはなりたくないと、心から思います。どうすれば、そうならずに済むのでしょうか。
(「宗教ではない仏教 ビジネス縁起観」は、「縁起の法」を基盤に開発した、人材育成・人間関係・経営のための理論とノウハウです)
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