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ある日、こんな言葉を聞きました。 「悪いとは分かっていたけれど、誰にも、何にも言われなかったから、やめなかった」 この人は、人の迷惑になることを、そうと知りながらやり続けていたのです。その日初めて、強くたしなめられたのですが、そのときの反応がこの言葉だったのです。その後、この人が、その悪いことをやめたかどうかは分かりません。
してはいけないと分かっていながら、たしなめられると、「他の人もやっている」といって、やめようとしない人がいます。他人のせいにして、自分の非を認めず、悪いことをやめない貧しい心が見え透きます。
人の迷惑になることを、悪いと分かっていながらやり続け、人からたしなめられると、逆に開き直る人がいます。その居丈高な姿は、とても人間とは思えません。
人びとに暴力を揮う行為を、英雄的行為として讃える集団もあるようです。人間は、そこまで堕落することができるのです。
仏教の唯識は、六つの煩悩と、二十の随煩悩を列挙しています。「随煩悩」に、次のような心が挙げられています。
人間には、こういう浅ましい心があるのです。単なる理論ではないのです。現実に起きていることなのです。他人を非難する前に、自分がこういう心を持っていないか、働かせていないか、気をつけることが大切です。
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