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財務諸表は、税金の計算書。そう思っている中小企業経営者が案外多いらしい。税理士から送られてきた財務諸表の一番下を見て、ぽいと放り出す。損益計算書はざっと目を通すこともあるけれど、貸借対照表には見向きもしない。 倒産した中小企業経営者の多くが、財務諸表を見ていなかったそうだ。
企業経営ではお金が動く。お金がどのように動い たかを正確に記録して、決まり通りに整理すると、財務諸表が出来上がる。
個人の生活で見てみよう。
経営者なら、自分の会社がどういう会社なのかをありのままに認識して、健全経営を推進すべきである。自分の会社を知るためには、まずは、財務諸表を役立てるべきである。
財務諸表に目を向けたことの無い経営者には、とりあえず、財務諸表を眺めることをお薦めする。とはいえ、一年に一回眺めるのでは意味がない。毎日一回、お茶の時間にでも、最新の財務諸表を眺めるのである。眺めているうちに、だんだん財務諸表になじんで来る。ある日、見慣れない数字が出てきて「あれっ」と思う。調べてみたら原因が分かった。こんなことにでもなれば大成功である。
財務諸表になじんだら、一歩を進めて、財務諸表を読んでみたらどうだろう。この数字とこの数字の関係はこうなっているんだな。この数字が大きいときは、要注意だな。この数字が出ているのはありがたい。こんなふうに思えるようになったら、財務諸表も喜ぶのではないだろうか。
財務諸表を見るのは、お金を勘定するためばかりではない。経営者である自分が、ちゃんと経営しているかどうかを見るためのものである。 |