

| 紅梅 浪 宏友 |
山深い寒村幼い女の子と男の子は 川辺の紅梅の下で遊んだ はしゃぎまわり ころげまわり 紅梅の下に寝っ転がって女の子は言った わたし あんたの およめさんになってあげる
逞しく成長した少年は
庄屋の息子が 少女を嫁にしたいと言い出した
年が明け
ある日を境に
少年が村へ戻ってきたのは |
| 秋の庭に 中原道代 |
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暑かった夏が少しずつ遠ざかっていく 夕ぐれになると 北の窓から 虫たちの大合唱が聞こえてくる ふと 掃除の手を止めた 遠くの友は今どうしているだろう ご主人がいなくなった家でひとり 長い夜をひっそりとすごしているだろう 笑顔がすてきなあなたに 戻っているといいなあ 虫の声が私の中でレクイエムになっていく
今年の秋は短い |
| 優しさ 伊藤一路 |
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優しいって何だろう 相手の幸せを願い行動すること? 相手の嬉しい事や喜ぶ事をすること? 相手の為に自ら犠牲になる事? ほんとうにそう?
その為には相手のことをよく理解して考えないと
けど |
| 四季のつぶやき 大戸恭子 |
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脈々と 受け継がれてく 命かな
頑張るぞ そんな時には もうスプーン
温かい 土佐煮ふるまう 土佐のおきゃく
嵐過ぎ 行く先見えた 良い航路
磯野家で 今日もこぶしは かつをぶし
食卓に しっぽくうどんの 並ぶ頃
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| 新しい歩み 大場 惑 |
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苦悩の底で 見向きもしなかった神仏に出会ったとき 当たり前にやってきたことが とんでもない悪事だと気が付いた
正義のつもりで怒鳴りまくってきたが
これまでの私を捨てて |