あの人 浪 宏友 |
人が 人が 人が 右のほうから 来て 左のほうに 歩く 人が 人が 人が 左のほうから 来て 右のほうに 歩く 人が 人が 人が 延々と 延々と すれちがい 歩く
人を 人を 人を
人に 人に 人に
人が 人が 人が
人が 人が 人が
人が 人が 人が 歩く
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湖畔 中原道代 |
清水の豊かな野尻湖 ゆっくり走る遊覧船 波間に揺れる小さなボート 湖面を渡る秋風が 山辺のすすきを震わせた
向こう岸のペンションは
雄大な黒姫の山
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ありがとう 大戸恭子 |
指にありがとう 爪にありがとう 髪にありがとう 目 口 鼻 耳にありがとう 空気にありがとう 水にありがとう 太陽にありがとう 土にありがとう
あなたにありがとう きみにありがとう
生まれた事にありがとう
みんなにありがとう
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風邪ぎみ 山本恵子 |
新年を前に大根採り 鼻も採る風邪ぎみの身に足も痛い 心のゆるみかしら診てもらう 先生曰く冷え込みだからって
本当は年齢のせいといったら笑う
見るもの聞くもの楽しい
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セーター 山本恵子 |
若いとき古毛糸で編んだ 今年は少々手をかけて 畑に野菜採りに着て 帰って脱いで考へた
ベランダに日がさして
七色のネオンのごとく
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小さな幸せ 山本ルイ子 |
いつもと変わらない電車の中 私は外ばかり見ていた すると 一人の男性がかけ込んできた とてもスーツが似合うクールな感じ
それから何度か見かけるようになり
たった二駅の時間なのに
こんな事を思いながら
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証 伊藤一路 |
満タンのエネルギーで 昇り始めた太陽 溢れるエネルギーでさんさんと 照らし続ける太陽 どれだけ望んでも 静かに沈んで行く太陽 夕暮れ時は少し淋しくも 感じるけれど
秋の紅葉もキレイな夕焼け空も
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