

| 影 浪 宏友 |
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焼けただれた大地に 透明な影が立つ 主のない声がさまよい歩き おびえた風が曲がり角から出てこない
静まり返った大地に
歩いても 近づかないのは
支えのない大地に
空っぽの大地に
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| いのち 中原道代 |
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駆ける子供の後追って 野原に出れば秋の風 子供は早速シャボン玉 ストロー吹けば たちまち大道芸人だ 虹色の光の粒が風に舞う 風に舞ってはじけて消える きれいだなあー 足を止めた老夫婦 ありがとうを残して立ち去った
遊びに飽きた子と手をつなぎ
私の道は まだまだ遠い
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| やすこ 大戸恭子 |
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私の事をいつも 「やすこ」って呼ぶ人がいる。 この年になって…… でも、それが妙に嬉しい。 もう、この世に「やすこ」って 呼んでくれる人は 親を含めて 二〜三人しかいない。 「やすこ」って呼ばれると こんな所で咲いてるのねって 言われた花の様に 「はい。」って いつもその人に微笑みかえしてる。
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| 戦争 織田信雄 |
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白の世界も 黒の世界も 神様は創られなかった
戦争だって神様の眠っている間に起きたのだ
感情と理性がないまぜになって
戦の引き金はいつも
誰が助けてくれと言ったのか 言わなかったのか
指揮者は賭博(ばくち)が大好きで
そして神様が目を覚ます前に
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| すぎし思い出 山本恵子 |
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台所仕事夢中の時 ヤイ ヤイ と主人の声 走って 寝床は 誰もいない 写真だけが私をみつめて
とめどなく涙が流れ足すくめ
二人で病院外は畠仕事早朝
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| 花の心 山本恵子 |
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今年は花種内地から主人買求め 美しい花が咲き一人ボッチで歩き 四十分間歩いて畠に着いた 花が咲き心をいやしてくれた
あなたありがとう帰ったら
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| 成長するという事 山本ルイ子 |
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赤ちゃんは目で初めて物を見る 初めて耳で音を聞く 寝返りを覚え ハイハイを覚える 歩く事を覚え 言葉を覚える
子供は勉強して 色々な事を学ぶ
けれど大人は覚えた事どんどん忘れていく
成長するという事は これからもずっと
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| 子育て 伊藤一路 |
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息子に出会えてから三年が過ぎた
自分の息子はどんな大人になるのだろう
子供は育てるのではない! 育つのだ!
こんな大人になってほしいと願ったら
今三歳になった息子を見て思う
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