

| 荒れ野 浪 宏友 |
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照り返す陽光 焼け付く大地 果てしなき荒れ野
一粒の種 乾いた地に落ちて
獣も通らず
花を 葉を
果てしなき荒れ野
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| 春は黄色 中原道代 |
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菜の花 たんぽぽ チューリップ ヒラ ヒラ ヒラ ヒラ 黄色い蝶が舞っている どの花に止まる 羽根に秘めた模様見たさに目をこらす あまりのはやさにその一瞬がかなわない 花にまぎれて見えなくなった
どこかで子供の声がする
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| 私の一日 山本ルイ子 |
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「まだ眠い」 そう思いながらカーテンをあけた 太陽の光が眩しくてようやく目もあいた
朝はニュースを見て一日の出来事を把握する
そして満員電車に乗って仕事に向かう
ようやく仕事も終え家に帰宅する
明日もカーテンを開けたとき眩しいと思える一日になってほしい
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| 自分で決めた 伊藤一路 |
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好きな事しかしなければストレスはないかもしれない 好きな事だけしかしなければ上手くまわらずそれが ストレスになるかもしれない 好きな事の為にする好きじゃない事はストレスがない 自分の意志ですると誰の為でもなく誰のせいでもなくなる 自分で決めた事となればスムーズに動き上手くいく 結局自分で決めた事なんだ 自分で決める事なんだ そして決めたんだ
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| 布(絆) 大戸恭子 |
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二本の細い糸が 風で運ばれて来た
風に紡がれ
温かく二人を包む布
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| 雨坊主 河野裕子 |
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ビニールがさが すべり台 するするするする すべり落ち 雨粒坊主が 並んだ 並んだ
たくさん ならんだ 雨坊主
あっ
ひとつ落ちてゆく
あっ
もひとつ落ちてゆく
雨だれになって
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