すすり泣き 浪 宏友 |
眼を上げれば 闇 闇の奥に また 闇
声がする
すすり泣きが
歩く
地面は消えたのだろうか
すすり泣きが 聞こえる
すすり泣きが 響く
すすり泣きを き分け
闇を 歩く
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家路 中原道代 |
街に強い光が照りつけている 早朝の始発電車に乗り込んだ 汗を拭く人 扇子を使う人 水を飲む人 発車の時を待っている 通勤者の夏の一日が始まる ホームを足早に歩く人、人、人 私も人波に乗って一気に階段登りきる 都会の活気に後押しされて 長野新幹線のホームに立っていた 思わず ホッ と息をつく 娘から 「ありがとう 助かりました また来てね」のメッセージ 車窓から雄大な浅間山が見えてきた 青い空が広がっていた
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大きな光 山本ルイ子 |
「今日も疲れたなぁ」とふと空を見上げると夜空に輝く光があった 大きいなぁ、綺麗だなぁ、とっても明るいなぁ
さっきまで重かった足取りが急に軽くなったように感じた
いつも明るく、人に元気を与えられる満月のような人になりたい
まだまだ小さい自分がいて
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都合 伊藤一路 |
人はそれぞれの都合で動いている 何が正しくて何が間違えているのか それぞれの都合の上に成り立っている とするならば全ての事が正しくて 全て正解なんだろう 本当の正しさや正解は 自分の都合を全て取り除かなくては 気付けないのだろう 本当の正しさ、正解、正義って難しい 早く見つけたい
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