エーデルワイス 浪 宏友 |
![]() 岩また岩の険しい道を通り 最後の崖をよじ登って 若者は 天国に手が届く山のいただきに登りつめた
若者は 息を呑んだ
若者は 思わず 叫んだ
少女は 悲しげに首を振り
少女は
何が起きたのか分かりかねて
我に返り |
初秋の風の中 中原道代 |
外の空気が吸いたくなって 刺しゅうの手を止めた 心地よい風にさそわれて 裏手に廻ると 木の枝からベランダに 大きな蜘蛛の巣がかかっている 中で足長の大きな蜘蛛が動いていた 思わず 私 家に向かって助けを呼んだ 立派な巣だなー! と感心する彼 すまないねと言いながら 長ぼうきでからめ取っていく 蜘蛛をやさしく地面に放した
草を刈って さっぱりした裏庭 |
僕の勝手 伊藤一路 |
どうしたら気付いてもらえますか どうしたら理解してもらえますか 僕の勝手ではありますが もっと楽になれると思うのです
その方法に根拠はありますか
そこに感情は必要ですか
なぜ嘘をつきますか |
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